文献詳細
特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋
学術展示
アトピー性皮膚炎に緑内障およびデスメ膜破裂を合併した成人例
著者: 勝島晴美1 中川喬1 森田克彦2
所属機関: 1札幌医科大学眼科 2大麻眼科
ページ範囲:P.914 - P.915
文献概要
症例 症例は26歳男性。1980年9月急に昼盲を自覚し1981年4月2日大麻眼科を受診した。既往歴として幼少時よりアトピー性皮膚炎に罹患し15歳からフルコート軟膏を使用。皮疹の強い顔面には毎日ほぼ全体に,他の部位は皮疹部のみ週に2〜3回外用し,最近5年間は10gを10〜14日間で使用している。12歳まで小児喘息に罹患。20歳より神経質症で精神科に通院加療中。家族歴に母親がアレルギー体質,親戚に気管支喘息がある。大麻眼科の初診時所見は,視力右0.2(0.4×−2.0D)左光覚弁(矯正不能),眼圧は両眼50mmHg以上。両眼に軽度虹彩毛様体炎所見と白内障,左眼底に緑内障性乳頭陥凹と乳頭退色が観察された。両眼の開放隅角緑内障,虹彩毛様体炎および白内障の診断のもとに治療を行ったが,眼圧が十分下降しないので札幌医大へ紹介された。
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