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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

臨床報告

眼球鉄症における水晶体および虹彩の病理組織学的研究

著者: 村田敏規1 荒川哲夫1 石橋達朗2

所属機関: 1九州厚生年金病院眼科 2九州大学眼科学教室

ページ範囲:P.934 - P.937

文献概要

 眼球内鉄片異物により眼球鉄症が生じた症例に水晶体嚢内摘出術および周辺虹彩切除術を施行し,水晶体および虹彩根部を病理組織学的に観察した。ヘマトキシリン—エオジン染色(H.E.染色)による標本では,前嚢下の水晶体上皮細胞が紡錘形の形態をとり増殖していた。前嚢下および後嚢下の皮質線維は変性し,線維構造を失って均質無構造な物質となっていた。また水晶体上皮細胞内および上皮細胞下の皮質に褐色の色素が沈着していた。
 虹彩は前色素上皮細胞層の筋突起である瞳孔散大筋に褐色の色素が沈着していた。
 これらの褐色の色素沈着に一致してベルリン青染色では青く染まり,鉄の沈着が確認された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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