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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

文献概要

臨床報告

片眼性に後部多形性角膜変性症に酷似した病変を呈した母子例

著者: 大谷悦子1 松田司1 木下茂1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.959 - P.962

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 片眼のみに後部多形性角膜変性症(pos-terior polymorphous dystrophy of the cornea:PPD)に酷似した角膜病変を有する9症例の家族を精査し,1例の母親の片眼に同様な角膜病変を認めた。症例は,8歳の女児であり,右眼の角膜のみにPPDに非常に酷似した病変,すなわち,デスメ膜にほぼ水平に走る透明な幅の広い帯状隆起物,および,孤立あるいは集合した淡い灰色の混濁で囲まれた小水疱が認められた。本症例の母親(36歳)の右眼の角膜にも,PPD様の水平に走る透明な幅の広い帯状隆起物,および,孤立あるいは集合した淡い灰色の混濁で囲まれた小水疱が認められた。このような片眼性,かつ,家族性にPPD様病変が認められた症例の報告は,未だなされておらず,PPDの発生機序を考える上において非常に重要な症例であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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