片眼のみに後部多形性角膜変性症(pos-terior polymorphous dystrophy of the cornea:PPD)に酷似した角膜病変を有する9症例の家族を精査し,1例の母親の片眼に同様な角膜病変を認めた。症例は,8歳の女児であり,右眼の角膜のみにPPDに非常に酷似した病変,すなわち,デスメ膜にほぼ水平に走る透明な幅の広い帯状隆起物,および,孤立あるいは集合した淡い灰色の混濁で囲まれた小水疱が認められた。本症例の母親(36歳)の右眼の角膜にも,PPD様の水平に走る透明な幅の広い帯状隆起物,および,孤立あるいは集合した淡い灰色の混濁で囲まれた小水疱が認められた。このような片眼性,かつ,家族性にPPD様病変が認められた症例の報告は,未だなされておらず,PPDの発生機序を考える上において非常に重要な症例であると考えられた。