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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋 学会原著

急性水腫を伴った急性球状角膜の症例

著者: 高橋和博1 今泉利雄1 白井淳一1 田澤豊1 渡辺敏明2

所属機関: 1岩手医大眼科 2岩手県立胆沢病院眼科

ページ範囲:P.985 - P.989

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 デスメ膜破裂を伴うデスメ膜剥離によって急激な視力低下をきたした比較的稀な球状角膜の症例を経験した。症例は26歳の女性。18歳時に当科を初診し,円錐角膜と青色強膜を指摘されたが,以降,著変無く経過した。8年後の1988年12月10日に,右眼の突然の視力低下を自覚し,近医を受診。治療をうけたが症状改善せず,当科を紹介され受診した。右眼は視力(0.02),両眼角膜はドーム状に前方に突出し,右眼では,上皮の水疱形成と実質の浮腫状混濁が認められ,デスメ膜は全体に剥離し,一部破裂していた。この症例に,角膜外側の輪部寄りに,約半周のwedge-shaped sectionと全層縫合を行い,その後に粘弾性物質と空気を前房内に注入した結果,デスメ膜は復位し,角膜もほぼ透則となり,視力は(0.1)まで回復した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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