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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋 学会原著

β−遮断点眼剤変更による眼圧の変動について

著者: 海平淳一1 宮永和人1 藤沢昇1 佐藤雪雄2 瀬川雄三2

所属機関: 1北信総合病院眼科 2信州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.991 - P.994

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 緑内障および高眼圧症患者62名111眼を対象に,現在市販されているβ-遮断点眼剤であるチモロール,カルテオロール,ベフノロールを,相互に他種のβ—遮断点眼剤に変更した際の眼圧変動を検討した。延変更回数204回の統計学的な解析では,眼圧は変更後4か月にわたり有意に下降し,特にベフノロールからチモロールヘの変更,カルテオロールからチモロールヘの変更,チモロールからベフノロールヘの変更において有意であった。ただし,点眼剤の変更による眼圧下降効果は,変更時の眼圧および変更時の患者の年齢と有意に相関し,また,患者の性別,緑内障の症型,ピロカルピンの併用の有無による相違が認められた。以上から,β—遮断点眼剤の変更による眼圧下降効果は,点眼剤それぞれの眼圧下降効果の差よりも,むしろ,他のさまざまな背景因戸によって左右されるものであると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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