icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋 学会原著

糖尿病性網膜症における病巣凝固法の検討

著者: 山本禎子12 山下英俊2 橋場のり子2

所属機関: 1東京厚生年金病院眼科 2東京大学医学部附属病院眼科

ページ範囲:P.1025 - P.1028

文献購入ページに移動
 糖尿病性網膜症において病巣凝固施行眼を網膜血管床閉塞領域の分布の広さ,血管透過性の程度,網膜症の重症度により分類し,各々の悪化率について比較することにより,病巣凝固術の適応と限界について検討した。その結果,病巣凝固の適応と考えられる症例は血管床閉塞領域が2〜3象眼以内で,かつ,血管透過性の軽度の症例であると思われた。これに対し,広範囲の血管床閉塞領域,および,高度な血管透過性が認められる症例は汎網膜光凝固術が第一選択であると思われた。網膜症の重症度では,単純性および前増殖性網膜症においては病巣凝固後の悪化率が低く病巣凝固の適応と考えられた。生命表法を用いて病巣凝固終了後の網膜症の悪化の経時的変化を解析した。上記の病巣凝固適応群では凝固終了後6か月の時点での悪化率は0〜10%と低かったが,血管床閉塞領域の広く血管透過性の高度な眼では同時点で約半数が悪化していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?