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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋 学会原著

ソフトコンタクトレンズ保存液の微生物学的汚染状況の検索

著者: 加藤俊彦1 塩田洋1 三村康男1 伊藤義博2 程争平3 東堤稔4 坂本雅子4 三輪谷俊夫4

所属機関: 1徳島大学医学部眼科 2徳島大学医学部寄生虫学 3南通医学院眼科 4大阪大学微生物病研究会

ページ範囲:P.1037 - P.1040

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 ソフトコンタクトレンズ(SCL)保存液(レンズケースに注入する前のstock solution)96検体からアメーバ分離を試みた。そのうち1検体を除き細菌,真菌の分離,同定もあわせ行い,さらに分離された細菌については薬剤感受性試験を行って,次の結果を得た。
 微生物汚染は81検体にみられ,16検体(16.7%)から自由生活アメーバが分離され,そのうち4検体(4.2%)からの分離株はアカントアメーバと同定された。使用中のSCL保存液4.2%からアカントアメーバが検出されたことは,注目に値する事実であろう。細菌は全部で202株分離され,このうちグラム陰性正菌が83.2%(168株)を占めていた。真菌は21検体から26株分離された。
 アメーバ陽性検体では真菌,細菌の汚染率も高かった。特に真菌に関しては,アメーバ陽性保存液は陰性のものに比べて約2.3倍の汚染率がみられた。
 また,汚染は自家製保存液に高率で,保存液や容器の消毒管理法について患者をもっと指導する必要が感じられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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