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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋 学会原著

脳性視覚障害の幼少児における視覚誘発電位長期観察例の検討

著者: 正城良樹1 西岡ゆかり1 田淵昭雄1 筒井純1 松田盈子2

所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室 2川崎医科大学生理機能センター

ページ範囲:P.1047 - P.1050

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 主訴として追視のない皮質盲が疑われた12例(男児10例,女児2例)を対象に、覚醒時に1J,1Hzのキセノンフラッシュ光刺激によるVEPを,1か月以上の間隔をあけて2〜7回施行し,経過観察した。初回施行時,後頭部の反応が認められたものは12例中9例(75%)で,3例は有意な反応は認められなかった。反応の認められた9例のうち,2回目以降に潜時の短縮,振幅の増大,持続の短縮というVEP上の改善が8例に認められ,これらの例は1例を除き臨床的に視覚行動の出現と一致していた。最初,反応が得られなかった3例は,2回目以降に反応の出現があり,ほぼ同時かやや遅れて視覚行動の出現をみた。脳性視覚障害児におけるVEPは視機能判定には有用であり,VEP所見と視反応出現時とは良く一致している。脳性視覚障害児に対しては,機能発達の面からも繰り返し検査することが必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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