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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋

学術展示

網膜硝子体境界面の構造—ミュラー細胞にみる裏打ち構造について

著者: 原彰1 中込豊1

所属機関: 1日本医科大学第一病院眼科

ページ範囲:P.1106 - P.1107

文献概要

 緒言 網膜硝子体境界面の構造についていくたの論議がなされてきた。境界面の核ともなる網膜内境界膜の構造は主に光顕や電顕によって観察されてきたが,未だにその構造が明確に理解されていない。論議の的となっているものは①網膜硝子体境界面を形成する網膜内境界膜が他の組織にみられる様に上皮細胞の基底膜として機能し基底膜内孔形成のようなものが網膜内境界膜にも存在するのかどうか1,2),網膜内境界膜は硝子体皮質の濃縮したものなのか3,4),硝子体と内境界膜および内境界膜と網膜の結合はどのようなものなのか5,6),人眼では乳頭縁で網膜内境界膜が不連続となっているのだろうか5,7)などを含む他諸々の事となっている。また網膜内境界膜の性状が解明された分あらたな疑問が発生しているのも現状である。著者らはこれらいくたの疑問を少しずつ解明するため,眼底後極部の広い範囲の網膜内境界膜を網膜より人為的に剥離し,その後網膜硝子体境界面の構造を調べようとする方法をとってきた。著者らの方法により家兎眼・人眼とも網膜内境界膜は網膜より人為的に剥離できることが判っている。そこで今回この方法を人眼に用い,まず網膜内境界膜の構造のうち内境界膜下の構造をしらべた。内境界膜下の構造のうちでは網膜血管の露出がミュラー細胞基底部面のどの領域の網膜で起きているのかに焦点を当てた。
 対象および結果 年齢29〜86歳で死亡した人眼23眼を用いた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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