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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(5)1989年10月 名古屋 学術展示

前部虚血性視神経症を合併したLeber's idiopathic stellate neuroretinitisの1例

著者: 石原麻美1 石原広文12 湯田兼次1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科 2ひよし眼科

ページ範囲:P.1110 - P.1111

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 緒言 Leber’s idiopathic stellate neuroretinitisは視神経乳頭浮腫と黄斑部星芒状白斑を特徴とする原因不明の疾患である。本症はウイルス感染との関連が示唆され,自然寛解傾向が強く,視力予後は概して良いが,なかには悪いものも散見され,前部虚血性視神経症(AION)を合併している可能性があると言われている。今回我々はAIONを合併し視力回復が不良であった本症の1例を経験したので報告する。
 症例 39歳,男性。既往歴,家族歴には特記すべきことなし。主訴 右眼のかすみ。現病歴及び経過 1989年1月16日より右眼のかすみが出現し18日当科初診。先行感染はなかった。初診時所見はvd=0.3(n.c),vs=0.6(1.2)。眼位,眼球運動,眼圧,中間透光体に異常を認めず,右眼に高度の瞳孔人力障害があり,中心フリッカー値(C.F.F)は右20,左37であった。右眼には高度の硝子体混濁を認め,眼底は透見困難であったが,乳頭及び乳頭周囲から黄斑部におよぶ著明な浮腫と,乳頭の下方に線状出血が見られ,静脈の拡張蛇行を認めた(図1)。視野検査にて右眼に上水平半盲を認めた(図2)。末梢血,生化学,尿一般検査およびウイルス抗体価,トキソプラズマ抗体価,HIV抗体価を含めた血清学的検査に異常を認めなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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