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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

臨床報告

汎網膜光凝固前後の糖尿病性網膜症眼の瞳孔反応

著者: 福田敦1 小笠原孝祐2 吉村弦1 高橋和博1 中島理子1 田澤豊1

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室 2岩手県立中央病院眼科

ページ範囲:P.1133 - P.1136

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 増殖性糖尿病性網膜症に対する汎網膜光凝固後に,特異な瞳孔反応を示すことが示唆されたので報告する。対象は,福田分類でB-I以上の悪性(前)増殖糖尿病性網膜症20眼を選び,緑色アルゴンレーザーによる汎網膜光凝固の前後に1.25%エピネフリンと0.125%ピロカルピンの点眼試験を行った。汎網膜光凝固前では,1.25%エピネフリンに対して明瞭に散瞳し,過敏性を示したのに対し,0.125%ピロカルピンに対する反応はきわめて小さかった。汎網膜光凝固後1〜3か月後は,光凝固前とは異なり,1.25%エピネフリンに対する反応は減弱し,逆に0.125%ピロカルピンに著明な縮瞳を示した。汎網膜光凝固後に低濃度副交感神経作動薬に対して過敏性を小したのは,レーザー照射が眼内を走行する副交感神経線維を障害し,瞳孔括約筋内の除神経効果をもたらしたためと推察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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