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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

臨床報告

呼吸器感染を合併した新生児封入体結膜炎の5例

著者: 中川尚1 中川裕子1 徳島邦子2 伊藤ゆたか3 小木曽正勝4

所属機関: 1東京女子医科大学眼科 2徳島診療所 3東京女子医科大学小児科 4朝霞台中央総合病院小児科

ページ範囲:P.1141 - P.1145

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 封入体結膜炎発症後に呼吸器症状が出現した新生児5症例について,その臨床像を検討した。症例は男児3例,女児2例で,4例は経腟分娩,1例は帝王切開分娩児であった。結膜炎は生後4日から10日に発症し,両眼性3例,片眼性2例で,5例中4例に偽膜形成を認めた。咳,鼻汁,くしゃみなどの呼吸器症状が生後7日から39日に出現し,いずれも発熱はなかった。1例は胸部レントゲン検査,血液検査で典型的なクラミジア肺炎を認め,2例は軽度の肺炎,残る2例はクラミジアによる上気道炎と考えられた。肺炎をおこした3例では,血清の抗C.trachomatis IgM抗体が陽性であった。全例エリスロマイシンの経口投与により,呼吸器症状は消失した。母親の検査では3例中1例に子宮頸管のクラミジア抗原陽性,血清抗C.trachomatis IgG抗体は検査した41例全例に検出された。封入体結膜炎患児に対しては全身合併症特に呼吸器感染に注意して経過観察,治療を行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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