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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

臨床報告

後房眼内レンズ挿入術眼における交感性反応の定量的観察

著者: 加藤直子1 小紫裕介1 三浦昌生1 新城光宏1 中川成則1 岩城正佳1 近藤武久1

所属機関: 1神戸中央市民病院眼科

ページ範囲:P.1147 - P.1150

文献概要

 内眼手術を行うと,術眼では血液房水関門が破綻して術後炎症が生じるが,それが他眼に交感性に伝達し,他眼にも炎症,いわゆる交感性反応が発生すると言われている。この,交感性反応を究明するために,水晶体嚢外手術後に後房眼内レンズ挿入を行った20例で,レーザーフレアセルメーターを用いて,術眼と他眼の前房内蛋白濃度と細胞数の経時変化を測定した。術後,手術による血液房水関門の破綻を反映して,術限のフォトンカウント値と細胞数は著明に上昇したが,術後経過とともに漸次減少した。フォトンカウント値では術後1日目に最高であった症例12例と,術後7日目に最高であった症例8例があったが,両群とも,他眼の前房内蛋白濃度と細胞数に有意の上昇は術後経過中観察されなかった。すなわち,交感性反応は見られなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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