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臨床報告
未熟児におけるメチシリン耐性黄色ぶどう球菌による眼科領域感染症の2症例
著者: 三輪正人1 加藤祐造1 細田源浩1 阿部圭哲1
所属機関: 1山梨医科大学眼科
ページ範囲:P.1155 - P.1159
文献購入ページに移動1例は,出生体重588gの極小未熟児の全身管理中にMRSAによる敗血症が起こり,転移性眼内炎となった。末熟児網膜症が併発し,この冷凍凝固術施行後,約2週間して眼内炎が惹起し,4日間で結膜下に強膜破裂による排膿を認める急激な経過をとった。眼内炎の発症に冷凍凝固による硝子体出血の関与が推定された。
他の1例は品胎で出生体重1,780gの未熟児の全身管理中に涙嚢炎が発症した。先天鼻涙管閉塞に続発する感染でありMRSAが同定された。一般的にMRSAに対してはキューキノロン系抗生物質が第1選択として用いられるが,この症例ではオフロキサシンに対しても耐性があった。MRSAが疑われる症例において,薬剤感受性試験は必須であると考えられた。
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