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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

臨床報告

未熟児におけるメチシリン耐性黄色ぶどう球菌による眼科領域感染症の2症例

著者: 三輪正人1 加藤祐造1 細田源浩1 阿部圭哲1

所属機関: 1山梨医科大学眼科

ページ範囲:P.1155 - P.1159

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 身体の防御機構が未だ不完全である未熟児2例にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による眼科領域の感染症を経験した。
 1例は,出生体重588gの極小未熟児の全身管理中にMRSAによる敗血症が起こり,転移性眼内炎となった。末熟児網膜症が併発し,この冷凍凝固術施行後,約2週間して眼内炎が惹起し,4日間で結膜下に強膜破裂による排膿を認める急激な経過をとった。眼内炎の発症に冷凍凝固による硝子体出血の関与が推定された。
 他の1例は品胎で出生体重1,780gの未熟児の全身管理中に涙嚢炎が発症した。先天鼻涙管閉塞に続発する感染でありMRSAが同定された。一般的にMRSAに対してはキューキノロン系抗生物質が第1選択として用いられるが,この症例ではオフロキサシンに対しても耐性があった。MRSAが疑われる症例において,薬剤感受性試験は必須であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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