文献詳細
連載 眼科図譜・289
文献概要
緒言 落屑症候群では,線維状および顆粒状の物質が前眼部のいろいろな部位に沈着する。落屑物質は角膜後面にも沈着することが知られているが,きわめて稀である1,2)。今回私たちは,角膜後面に付着した落屑物質をspecular microscopeをもちいて観察し,角膜内皮細胞の属性についても検討した。
症例 78歳の女性が,徐々に進行する左眼視力の低下を主訴に受診した。矯正視力は右眼0.5,左眼0.3で,眼圧は右眼12mmHg,左眼13mmHgであった。両眼とも眼底には異常なく,右眼には落屑物質の沈着は認められなかった。左眼には,図1のように角膜中央の後面部に混濁があり,落屑物質の沈着が水晶体前面および虹彩の瞳孔縁部にみられた。
症例 78歳の女性が,徐々に進行する左眼視力の低下を主訴に受診した。矯正視力は右眼0.5,左眼0.3で,眼圧は右眼12mmHg,左眼13mmHgであった。両眼とも眼底には異常なく,右眼には落屑物質の沈着は認められなかった。左眼には,図1のように角膜中央の後面部に混濁があり,落屑物質の沈着が水晶体前面および虹彩の瞳孔縁部にみられた。
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