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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(6)1989年10月 名古屋 学会原著
伴性遺伝性若年網膜分離症で標的黄斑症を呈することがある
著者: 若林謙二1 西村彰1 岡本剛1 斎藤友護1 河崎一夫1
所属機関: 1金沢大学眼科
ページ範囲:P.1195 - P.1199
文献購入ページに移動本症の46歳と49歳の兄弟症例の1例に,本症としてはきわめて非特異的である典型的な標的黄斑症を経験した。筆者の知る限りこれまでに若年網膜分離症で標的黄斑症を呈することを強調した報告はなく,したがって今後は本症を標的黄斑症の鑑別疾患のひとつとして認識すべきである。非特異的な黄斑部所見を呈する本症の症例に遭遇した場合に,本症と診断するために,銀箔ないし金箔様網膜反射,single flash ERGのnegative波形,4Hz単色光ERGのnegative波形などを確認するとともに,白色樹枝状病巣や螢光造影での血管異常,色素性網脈絡膜萎縮に到っている場合には白色の線状組織の存在などに注意することが有用である。
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