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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻8号

1990年08月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(6)1989年10月 名古屋 学会原著

眼窩に原発したjuvenile fibromatosisの1例

著者: 鳥海智子1 古田仁志1 横尾昭2 青木俊樹2 発地雅夫3

所属機関: 1諏訪赤十字病院眼科 2諏訪赤十字病院脳神経外科 3信州大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.1229 - P.1231

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 2歳女児の右眼窩のみに原発したjuve—nile fibromatosisの1例を経験した。初診時,右眼の眼球陥凹と上転,下転,内転の眼球運動障害があった。前眼部,中間透光体,眼底に異常所見はなかった。眼窩CT撮影で眼球の後上外側に直径約1cmの高吸収域が認められ,右眼窩腫瘍が疑われた。開頭による腫瘍摘出術を施行し,以後5か月間再発をみていない。摘出された腫瘍は病理組織学的にjuvenile fibromatosisと診断された。本症が眼窩に原発することはきわめて稀であり,特に本例のように眼窩のみに原発した報告はわれわれが調べた限りではなかった。本例ではfibromatosisが眼球の後上外側に発生したため,上直筋,外直筋をまき込んで眼球運動障害を生じ,また周囲組織と強く癒着し,眼球を後方に牽引したために眼球が陥凹したと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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