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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻8号

1990年08月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(6)1989年10月 名古屋 学会原著

未熟児網膜症の重症度と心身発達 その1

著者: 川地浩子1 馬嶋昭生1 市川琴子1 側島久典2 今橋寿代2

所属機関: 1名古屋市立大学眼科 2名古屋市立大学小児科

ページ範囲:P.1247 - P.1250

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 未熟児網膜症(ROP)の重症化に関与する要因は,同時に,精神運動発達,中枢神経系の発達にも障害を与えることが予想される。ROPの重症度と心身発達との関連を調べる目的で,発達指数(DQ),フラツシュ視覚誘発電位(F-VEP),聴性脳幹反応(ABR)について検討した。DQの平均値は,ROP Ⅰ型3期初期以上または中間型,Ⅱ型まで進行した重症群とそれ以外の軽症群では,それぞれ,99.1,108.7であり,前者は後者に比べて有意に低かった。しかし,発達遅延域と考えられるDQ85未満とROP重症度とは有意な関連はなかった。F-VEPでは,Ⅰ型3期初期以上の重症ROP群でP100潜時が有意に延長していたが,N70潜時とP150潜時については,有意な関連はなかった。ABRではV波潜時,Ⅰ-Ⅴ波間潜時共に,延長の有無と ROP 重症度との関連はなかった。ROP重症例では心身発達にも何らかの影響を受けていることが推定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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