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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻8号

1990年08月発行

文献概要

臨床報告

対糖尿病網膜症硝子体手術における超高灌流圧下での増殖膜処理

著者: 生島操1 田野保雄2 池田恒彦2 中江玲子3 細谷比左志3 中江一人3 日下俊次3 佐藤幸裕4

所属機関: 1市立泉佐野病院眼科 2国立大阪病院眼科 3大阪大学医学部眼科 4駿河台日本大学病院眼科

ページ範囲:P.1311 - P.1315

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 活動性の高い線維血管性増殖組織を伴う糖尿病性黄斑部牽引性網膜剥離16例17眼に対し,硝子体手術中,超高灌流圧下で一時的に網膜中心動脈を途絶させた状態にして増殖膜の処理を行った。この間ほぼ完全な術中止血が得られ,超高灌流圧は82mmHgから105mmHgで,その持続時間は0.9分から最高16.5分(平均4.1分)に及んだ。その結果,16眼(94%)に網膜復位が得られ,15眼(88%)に視力改善が認められたが視力悪化例はなかった。
 超高灌流圧下での増殖膜処理は良好な視認性により術中合併症を防止し,手術時間を短縮するとともに手術成績も向上させた。また,増殖糖尿病網膜症でも10分間以上の虚血に耐えると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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