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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻8号

1990年08月発行

文献概要

臨床報告

非含水性ソフトコンタクトレンズによる兎眼症の治療

著者: 永田豊文1 羽渕由紀子1 中神哲司1

所属機関: 1榛原総合病院眼科

ページ範囲:P.1333 - P.1337

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 Butylacrylateとbutylmethacrylateの共重合体を素材とする非含水性ソフトコンタクトレンズ(以下SCL)を兎眼症の患者に装用させた。症例は顔面神経麻痺7例,橋出血2例,筋力低下2例,術後瘢痕1例である。連続装用を原則とし,装用中は点眼を併用し,数日ごとに洗浄を行った。ほとんどの例で症状が改善した。兎眼では瞬目が不完全なため涙液動態が不良であり,眼瞼の支持力低下が多く,ベースカーブやサイズの決定は容易でなかった。レンズの固着や汚れ,異物感などの問題があり,装用を中止したものが4例あった。非含水性SCLは眼球表面からの水分蒸発を防ぎ,乾燥しても形状が変化しないという点で,兎眼症においては含水性SCLに勝ると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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