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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

臨床報告

急性網膜壊死症候群の3症例

著者: 望月清文1 田辺譲二1 若林謙二1 山下陽子1 輪島良平1 河崎一夫1 小倉壽2 中村信一2

所属機関: 1金沢大学眼科学教室 2金沢大学微生物学教室

ページ範囲:P.1401 - P.1407

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 急性網膜壊死症候群の3例5眼を経験した。症例1の33歳男子および症例2の59歳男子は典型的な桐沢型ぶどう膜炎を呈し,症例2は両眼発症例であった。症例3の49歳女子は特発性間質性肺炎に対するステロイド療法中に右下肢に帯状疱疹が発現し,その後に両眼に壊死性網膜炎が発症した。アシクロビル,γ—グロブリン製剤の全身投与,およびアシクロビルあるいはステロイド灌流下での硝子体切除術,強膜輪状締結術,眼内光凝固術などの治療を行った。症例1では視力0.2を保ったが,症例2および3では汎網脈絡膜萎縮および視神経萎縮となり,予後不良であった。3例4眼に硝子体切除術を行い,採取した硝子体液中の水痘帯状疱疹ウイルスの抗体価が4眼すべてで高値であった。急性網膜壊死症候群の発症には水痘帯状疱疹ウイルスの関与が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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