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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

臨床報告

網膜色素上皮裂孔を合併した胞状網膜剥離の1症例

著者: 川地浩子1 白井正一郎1 湯口幹典1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1419 - P.1423

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 49歳の男性が,左眼視野欠損を主訴として受診した。視力右1.0,左0.7で,両眼に多数の網膜色素上皮剥離があり,左眼の下方には胞状の網膜剥離がみられた。螢光眼底造影では左眼に多数の螢光漏出点と4.3×1.7乳頭径の網膜色素上皮裂孔が検出された。色素上皮裂孔部以外の螢光漏出点に対してクリプトンレーザー光凝固を2回施行したところ,網膜剥離は徐々に消失した。色素上皮裂孔部も瘢痕化し,左眼視力は0.4と比較的良好に維持できた。色素上皮裂孔を伴った胞状網膜剥離でも,裂孔部以外の漏出点への光凝固により剥離が消退し,裂孔部の瘢痕化が期待できるので,裂孔部以外の螢光漏出点に対する光凝固をまず試みるのがよいと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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