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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

臨床報告

糸状角膜炎に対する角膜表層穿刺

著者: 佐堀彰彦1 辻村まり1 岡崎茂夫1 山本節1 上総良三2

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室 2神戸労災病院眼科

ページ範囲:P.1431 - P.1435

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 従来の治療に抵抗した再発性の糸状角膜炎6例に対して角膜表層穿刺(anterior stromal puncture)を施行し,全例で有効であった。症例は34〜80歳の男2例,女4例で乾性角結膜炎2例,角膜パンヌス2例,再発性角膜びらん1例,原因不明1例であった。Anterior stromal punc— tureはdisposableの22ゲージ注射針を用いて行い,フィラメントの根部に2〜3回の穿刺を加えた後にフィラメントを除去し,再発するものには1週ごとに数回繰り返して穿刺を行い,圧迫眼帯を併用した。全例でフィラメントの著明な減少ないし消失がみられ,自覚症状は著しく改善した。本法は注意深く行えば安全かつ簡便であり,糸状角膜炎に対して有効な治療法であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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