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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

臨床報告

低眼圧緑内障における眼圧日内変動測定の臨床的意義

著者: 石井玲子1 山上淳吉12 新家真1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京都老人医療センター眼科

ページ範囲:P.1445 - P.1448

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 臨床所見より低眼圧緑内障(LTG)を疑った60例118眼に対して,診断確定のため24時間眼圧日内変動測定を施行し,その結果を,外来受診時の眼圧値と比較することにより,LTGにおける日内変動測定の臨床的有用性を検討した。日内変動の結果からLTGを否定された症例は4例7眼(6.7%)であった。これらの外来眼圧の平均は17.8±1.5mmHgで,LTGと診断された症例の外来眼圧15.5±2.0mmHgと比較して有意に高かった(p<0.01)。LTGと診断された各症例の外来眼圧と日内眼圧の差(カッコ内は両者の相関係数)は,最高眼圧では0.8±1.9mmHg (0.58),最低眼圧では1.1±1.7mmHg (0.65),平均眼圧では1.2±1.3mmHg (0.79)と,いずれも外来眼圧が有意に高かった(p<0.001)。また,外来平均眼圧と,外来診療時間に相当する午前10時から午後4時の間における眼圧日内変動平均との差(相関係数)も,1.2±1.4mmHg (0.60)と,前者が有意に高かった(p<0.001)。この結果より,LTGの日内変動測定値は外来受診時の眼圧値と比較して約1mmHg低いレベルにあると考えられ,かつその24時間の平均値はかなりの精度で外来眼圧の平均データより推定することができると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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