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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

臨床報告

コクサッキーB4ウイルスによる散在性網脈絡膜炎の1例

著者: 平形恭子1 大島崇1 東範行1

所属機関: 1国立小児病院眼科

ページ範囲:P.1453 - P.1455

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 過去に報告のないコクサッキーB4ウイルスによる散在性網脈絡膜炎の1例を報告する。症例は11歳の男子で,持続する高熱,全身倦怠感を訴え,諸検査の結果,無菌性髄膜炎,貧血,肝機能異常,心電図の異常を指摘された。視力は良好で自覚的には無症状であったが,眼底には後極部および中間周辺部を中心に血管に沿って散在する白色病巣を認めた。病巣は全身状態の改善とともに次第に軽減し,少数の瘢痕を残す以外は消失した。真菌,ウイルスを含む細菌学的検索では,コクサッキーB4ウイルスの抗体価のみ上昇がみられ,ウイルスの直接の分離同定はできなかったが,血中の抗体価の推移からコクサッキーB4ウイルスの感染によるものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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