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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

臨床報告

網膜動脈瘤40例の臨床像と治療法の検討

著者: 和田有子1 一井泰孝1 高橋寛二1 板垣隆1 三木弘彦1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1457 - P.1462

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 最近10年間に40例42眼の網膜動脈瘤を経験し,その臨床像,治療法について検討した。男性9例,女性31例で,平均年齢は66歳であった。全身所見に,高血圧症と動脈硬化症が高頻度にみられた。初診時の眼底所見は,出血型が31眼(74%),滲出型が10眼あった。動脈瘤の数は1個のものが多かった。動脈瘤はすべて第3分枝以内の動脈に存在し,第2分枝に最も多くみられた。10眼では薬物療法で動脈瘤は自然消退した。出血吸収が遷延し血管外漏出が強い症例と,黄斑部に浮腫の及んだ症例32眼には,レーザーで動脈瘤の直接光凝固を行い,全例器質化に成功した。治療として光凝固が有効であると思われた。しかし合併症として,分枝動脈閉塞や動脈瘤からの再出血例を4例経験したので,過剰凝固にならない注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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