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臨床報告
黄斑裂孔を伴ったpit-macular syndromeに対する光凝固療法
著者: 大西克尚1 佐川卓司1 荒木英生1 石橋達朗1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1463 - P.1467
文献購入ページに移動症例は17歳の女性で右眼の視力低下が初発症状である。視力は0.5であったが,2週間後に黄斑裂孔をきたし0.08に低下した。Pitの底面に存在していた透過性亢進を示す小血管の閉塞と,光凝固後のグリア細胞の増生による網膜下液の供給路の遮断とを目的としてpit底のみをアルゴンや色素レーザーで光凝固を行ったが無効であった。Pit縁の網膜に色素レーザー凝固を行ったが効果がなく,アルゴンレーザー凝固を行ったところ網膜剥離は消失し,視力は0.2に改善した。したがって,本症の治療には網膜と脈絡膜の癒着を強く起こすアルゴンレーザーを用いてpit縁の網膜に凝固するのがよいと思われた。
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