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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床報告

ベーチェット病での乳頭新生血管

著者: 古館直樹1 笹本洋一1 市石昭1 広瀬茂人1 大野重昭2

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.13 - P.16

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 1975年から1988年の14年間に当科を受診した,眼症状を有するベーチェット病患者243例について病歴調査を行った結果,乳頭新生血管を伴うベーチェット病が7例10眼あった。症例は全例男性で,年齢は22歳から41歳(平均31.7歳),病型では完全型が3例,不全型が4例であった。経過観察期間は,4か月から11年(平均約4年)間で,最終視力は0.6以上のものが10眼中6眼(60%)と比較的良好であった。視力不良例は黄斑部萎縮や黄斑円孔などの合併症を起こしたものであった。ベーチェット病にみられる乳頭新生血管の成因については網膜の虚血性変化をあげる報告が多いが,本症例では,螢光眼底造影でいずれも毛細血管床の閉塞はなく,乳頭新生血管は炎症の直接的な結果と考えた。したがって乳頭新生血管に対する治療は抗炎症療法が中心であるべきと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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