icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床報告

ウイルス性網膜ぶどう膜炎が疑われる3症例

著者: 諏訪雄三1 大路正人1 中川やよい1 多田玲1 笹部哲生1 春田恭照1 湯浅武之助1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科

ページ範囲:P.44 - P.49

文献購入ページに移動
 60歳前後の女性にみられたウイルス性と思われる両眼性網膜ぶどう膜炎の3症例を報告した。3例とも前眼部の炎症は軽度で,隅角に結節があり,軽度ないし中等度のびまん性硝子体混濁がみられた。眼底には,赤道部から周辺部にかけて小円形の黄白色滲出斑が散在し,一部に網膜壊死様の融合した滲出斑が存在した。網膜動脈炎および静脈炎もあった。眼病変の推移は緩慢で徐々に軽快し,大量のステロイドとアシクロビルが有効であった。これらの症例の臨床症状および経過が他のウイルス性網膜ぶどう膜炎と類似しており,前房水の検索による結果も総合すると,単純ヘルペスウイルスの関与が疑われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?