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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻1号

1991年01月発行

文献概要

連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・25

線維柱帯切除術(2)

著者: 新家真1

所属機関: 1東京大学医学部眼科

ページ範囲:P.54 - P.56

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術後早期合併症の注意点
 線維柱帯切除術(trabeculectomy)の術後早期の注意点について述べる。Trabeculectomy術後,全く何らの合併症も起こさず,眼圧が十分に低くコントロールされ,かつ濾過胞の出来具合も十分であるというのが理想であるが,実際は表に示すごとく,理想どおりにゆくのはむしろ少数で,約半数以上は術後早期に合併症を伴う。この合併症は,十分な前房水の結膜下への漏出という手術効果と表裏一体であり,術後合併症に神経質になる余り,強膜弁縫合を強く締めすぎると,当然長期的な濾過胞形成不良という結果を招くことになる。
 この濾過手術を行う限り,なかば当然の理論的帰結である,術後早期の過剰濾過による合併症といかにうまく共存し,かつそれをいかに処理するかが,trabeculectomyの成否にとって,手術自体と同様に,またはそれ以上に寄与していると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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