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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床報告

Ocular Toxocariasisに対する硝子体手術

著者: 坂上憲史1 田野保雄1 春田恭照1 池田恒彦1 不二門尚1 中江一人1 張國中1 日下俊次1 今居寅男1 辻守康2

所属機関: 1国立大阪病院眼科 2広島大学寄生虫学教室

ページ範囲:P.1647 - P.1650

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 臨床症状および免疫学的検索により眼寄生虫症が疑われた7眼に対して硝子体手術を行い,術中に採取した硝子体に対し免疫学的検索を行った。7眼のうち6眼は網膜剥離併発例,1眼はステロイド療法に抵抗する硝子体混濁例であった。最終的に6眼中5眼に網膜の復位を,1眼に硝子体混濁の改善をえた。7眼全例に視力予後の改善をみた。硝子体手術の意義は硝子体切除による中間透光体の再建と免疫複合体などの炎症起因物質の除去,網膜に対する牽引の解除,増殖塊の瘢痕形成促進などである。ステロイド剤の投与に抵抗する症例,牽引性網膜剥離,裂孔併発型牽引性網膜剥離など黄斑部の不可逆的変化が心配される症例に対しては診断学的意味も含めて積極的に硝子体手術を施行すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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