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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床報告

血管新生緑内障患者における血液透析中の眼圧と血漿浸透圧の経時的変化

著者: 鎌田京美1 田原昭彦1 佐川卓司1

所属機関: 1九州大学医学部眼科

ページ範囲:P.1715 - P.1717

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 左眼血管新生緑内障を有する69歳の女性の血液透析中の眼圧,血漿浸透圧,血漿の二酸化炭素分圧を経時的に測定して,血液透析中の眼圧上昇の機序について検討した。血液透析中,血漿浸透圧は急激に低下した。眼圧は房水流出障害が存在する左眼のみが徐々に上昇し,房水流出路に異常のない右眼の眼圧に大きな変動はなかった。血漿二酸化炭素分圧と眼圧変動の間に相関関係は認めなかった。グリセオールを点滴しながら血液透析を行うと,血漿浸透圧の上昇は見られず眼圧も上昇しなかった。以上の結果は,血液透析中の眼圧上昇には,血漿浸透圧が急激に低下することとともに,房水流出障害が存在することが関係することを示唆する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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