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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床報告

局所麻酔下の眼科手術が心電図と動脈血酸素飽和度に及ぼす影響

著者: 安間哲史1 安野雅恵1 安間正子1 安間文彦2

所属機関: 1医療法人安間眼科 2名古屋大学第1内科

ページ範囲:P.1719 - P.1726

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 入院手術を行った100例について,局所麻酔下の眼科手術が循環と呼吸に及ぼす影響を検討した。対象者の平均年齢は68.6歳である。前投薬筋注2時間前から3チャンネルホルター型心電計を装着し,手術室入室中はパルスオキシメータ測定の動脈血酸素飽和度(SaO2)も同時記録した。前投薬として,手術開始30分前に硫酸アトロピン(アヘンアルカロイドアトロピン:7例を含む),塩酸ヒドロキシジンを筋注した。
 前投薬後,麻酔後に増加傾向のあった平均脈拍数と最高脈拍数は,術後後期には基準値に戻る傾向を示した。心室性期外収縮は前投薬後,麻酔後,術後を通して減少傾向を示した症例が多く,上室性期外収縮も術後に減少傾向があったが,症例によってその傾向には大きなばらつきがあった。
 手術室入室中のSaO2の最低値が90%未満を示した症例が16例もあったことは,高齢者を中心とした局所麻酔下の眼科手術患者のモニターとして,術中のSaO2測定が有用であることを示すものであると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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