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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床報告

円錐角膜の角膜形状分類と臨床所見

著者: 前田直之1 岩崎直樹2 細谷比左志3 松田司3 大橋裕一3 木下茂3 眞鍋禮三3

所属機関: 1国立大阪病院眼科 2市立堺病院眼科 3大阪大学眼科

ページ範囲:P.1737 - P.1741

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 円錐角膜241例421眼を,photokerato—scope (PKS)を用いて,角膜形状異常の程度に応じて3群に分類し,各群の臨床所見について検討した。Ⅰ群(軽度)はPKS写真の中央のリングのみに変化のあるもの,Ⅱ群(中等度)は中央に加え周辺部に変化が認められるもの,Ⅲ群(高度)は中央部の変化が著しいものとすると,対象はⅠ群210眼,Ⅱ群116眼,Ⅲ群95眼に分類された。Ⅰ群,Ⅱ群,Ⅲ群の順に角膜実質混濁,およびacute hydropsの出現頻度は増加し,コンタクトレンズによる矯正視力は低下した。初期円錐角膜を角膜中央部の突出や菲薄化が細隙灯顕微鏡検査で不明瞭であり,keratoconus lineやFleischer'sringが存在しないが,PKSで円錐角膜に特徴的な所見を有するものとすると,Ⅰ群に初期円錐角膜が70眼存在し,全対象の17%に相当していた。
 PKSを用いた角膜形状による円錐角膜の分類と臨床所見の進行度はよく合致し,PKSは円錐角膜の経過観察および初期円錐角膜の早期診断に有用であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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