icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床報告

単純ヘルペス脳炎の既往のある急性網膜壊死の1例

著者: 森由貴子1 浜本順次1 長田正夫1 玉井嗣彦1 高木茂2

所属機関: 1鳥取大学医学部眼科学教室 2山陰労災病院眼科

ページ範囲:P.1743 - P.1746

文献購入ページに移動
 単純ヘルペス脳炎の既往のある43歳の男性の左眼に急性網膜壊死が発症した。患者は本症発症の10か月前に単純ヘルペス脳炎に罹患し,acyclovirとγ-globulinの投与により治癒し,後遺症もなく生活していた。突然視力障害が出現し,その特徴的な眼底所見などから急性網膜壊死と診断し,acyclovir,steroid,aspirinを投与し,網膜光凝固術を行った。約2か月後には円孔を形成し,網膜剥離が出現したため,強膜輪状締結術と硝子体切除術を行った。経過中の血清および前房水の単純ヘルペスウイルス1型に対する抗体価が上昇しており,手術時に得られた眼内液の抗体率が高値を示し,病因として単純ヘルペスウイルス1型が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?