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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 眼科基本診療—私はこうしている 診断に必要な基本技術

視神経乳頭が腫れている時の検査方針

著者: 柏井聡1

所属機関: 1京都大学医学部眼科

ページ範囲:P.65 - P.69

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 視神経乳頭の腫脹(disc swelling)は,いろいろな病態で認められる。また,乳頭が先天的に隆起(disc elevation)していて,検眼鏡的に腫脹したように見える場合もある。基本的には,頭蓋内圧亢進に基づくうっ血乳頭(papilledema)と先天異常である偽性うっ血乳頭(pseudopapil—ledema)そして視神経乳頭部の局所的病変に基づくグループの3つに分けると理解しやすい(表1)。
 このうち乳頭炎(前部視神経炎)や前部虚血性神経症といった日常比較的よく遭遇する乳頭の局所的病変に基づく乳頭腫脹の場合,急性視力障害,つまり中心視力の低下や視野欠損,および同側瞳孔の直接対光反応の減弱を認めるのが原則で,日常臨床でうっ血乳頭との鑑別が問題となることは,まずない。一方,うっ血乳頭は,検眼鏡的に完成された段階でも,黄斑部が二次的に障害(黄斑浮腫,脈絡膜皺襞形成,網膜下新生血管膜からの黄斑出血等)されない限り中心視力の低下はなく,また,盲点の拡大を除いて視野欠損は認められない(図1)。したがって,日常最も問題となってくるのは,偽性うっ血乳頭との鑑別である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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