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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 眼科基本診療—私はこうしている 治療に必要な基本技術

コンタクトレンズフィッティングの評価

著者: 水谷由紀夫1

所属機関: 1水谷眼科診療所

ページ範囲:P.132 - P.133

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 コンタクトレンズ(CL)処方の最終目標は,1)良い視力を得る,2)装用感が良い,3)眼の健康を損なわないことであるが,これらの点を満足させるためにはよいデザインのCLを,正しく処方し最良のフィッティングを得ることが必要である。つまり,CLは過剰に眼瞼,角膜を刺激することなく,レンズの力はできるだけ広く角膜上に分散し,瞬目により角膜上をスムースに移動し,涙液交換が適度に行われていなければならない。
 最近は,ガス透過性HCL (RGP)が処方されることが多くなり,レンズデザインやその処方法について,従来のハードCL (PMMA)とは多少異なった理論も展開されている。例えば,RGPはPMMAよりも角膜上でたわみやすく,時には固着が発生する性質があるため,レンズサイズを大きくしフラットにして上眼瞼でレンズを保持する方法が勧められることもある(アピカルアライメント法)。また,RGPでは,PMMAよりも酸素供給不足による角膜障害やそれに伴う諸症状が少ないため,PMMA処方時に必要とされるデザインや処方の正確さがやや軽視される傾向にある。しかし,RGPでも視力,装用感,健康を満足させるためには,適切なレンズデザインと処方が必要であることにはかわりなく,むしろPMMAではみられなかった注意すべき点もいくつかある。基本的には,長年の経験と実績があるPMMAのデザインと処方(アピカルクリアランス法)を参考にして良いと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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