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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻12号

1991年11月発行

文献概要

臨床報告

前嚢収縮の危険因子について

著者: 並木真理1 山本成章1 田上勇作1 山崎啓祐2 立花晴子2 小林定男2 鳥羽幸雄3

所属機関: 1社会保険神戸中央病院眼科 2市立西脇病院眼科 3鳥羽眼科

ページ範囲:P.1828 - P.1831

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 Continuous Circular Capsulorhexis(CCC)後,超音波乳化吸引術を行い,後房レンズ(PCL)を嚢内固定した453例500眼を対象として,CCCおよびPCLの嚢内固定後に生じる前嚢収縮の危険因子について検討した。検討項目はPCLの種類,年齢,眼および全身合併症である。
 前嚢収縮は10例13眼(2.6%)に観察され,網膜色素変性症,ぶどう膜炎による併発白内障の症例で高率に生じた(≧50%)。また脳梗塞,心筋梗塞,高コレステロール血症など高度の全身的血管障害を合併する症例で有意に高率(22%)にみられた(χ2検定,p<0.005)。前嚢収縮群の平均年齢(76.2±8.0歳)は非収縮群(67.6±11.9歳)に比して有意に高かった(F検定,p<0.05)。IOLの種類と前嚢収縮のあいだに関連はみられなかった。
 網膜色素変性症,ぶどう膜炎,高度の全身的血管障害,高齢者は前嚢収縮の危険因子であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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