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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻13号

1991年12月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・62

眼内上皮増殖

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.1862 - P.1863

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 穿孔性眼外傷や内眼手術の後に,主として結膜上皮細胞が,まれに角膜上皮細胞が眼球内に侵入増殖することがある。これを眼内上皮増殖epith—elial downgrowthまたはepithelial ingrowthという。白内障のように角強膜縁を切開する手術では,結膜の輪部切開の方が弁状切開よりも眼内上皮増殖がおこる率は高いといわれている。角強膜切開創に結膜,虹彩,硝子体が陥入したり,角強膜切開創の接合が不十分な場合にも眼内上皮増殖がおこる危険性は高い。また,手術器具に付着した結膜組織が手術操作中に眼内に残されて発症することもある。
 眼内上皮増殖がおこると,重篤な緑内障をおこし,また虹彩嚢腫を形成する。緑内障は,前房内に侵入した上皮細胞層を介して虹彩根部と周辺部角膜が癒着しておこる閉塞隅角緑内障,もしくは侵入した上皮細胞が隅角の表面を覆うことによっておこる開放隅角緑内障である。侵入した上皮細胞によって前房内または後房内に嚢腫を形成し,そのために隅角が圧迫されて緑内障をおこすこともある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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