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臨床報告
眼輪筋附皮弁と硬口蓋粘膜を用いた眼瞼全層再建
著者: 川本潔1 宮永嘉隆1 永富絵美1 笹本良信2 野崎幹弘2 平山峻2
所属機関: 1東京女子医大第二病院眼科 2東京女子医大形成外科
ページ範囲:P.1879 - P.1882
文献購入ページに移動眼輪筋附皮弁について,1)皮膚と眼輪筋を同時に再建できた。2)眼輪筋が連続して再建されるので再建した下眼瞼の優れた支持性と適度な緊張性が得られた。3)眼瞼皮膚を利用するため,その外観や性状が自然に近く再建できた。4)皮弁の血行が安定しているため,手術施行上の安全性が高かった。5)採取部瘢痕が目立たなかった。
硬口蓋粘膜について,1)再建眼瞼の支持組織として十分な強度を有し,柔軟で湿潤な粘膜を同時に再建できた。2)手術操作が簡単で,その形成もよく,眼球と角膜への密着性は優れていた。3)術後の二次的収縮変形が少なかった。4)採取が簡単で,採取後donor部に特別な処置を必要としなかった。5)採取部が口腔内のため,機能と整容上問題とならなかった。以上より本手術法は有用で簡便な眼瞼再建法であると考えられた。
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