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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻13号

1991年12月発行

文献概要

臨床報告

眼科領域におけるSparfloxacinの涙液移行と臨床的検討

著者: 河合佳江1 矢田浩二1 樋田哲夫1 藤原隆明1

所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1891 - P.1894

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 新しく開発されたキノロン系の経口抗菌剤であるSparfloxacinについて,基礎的・臨床的検討を行い以下の結果を得た。
 本剤200mg単回投与時のヒト涙液中濃度のピーク値は0.623±0.027μg/mlに達し血清中濃度との間には正の相関を示し,移行比は約68.6%であった。投与後12時間と24時間でも涙液中濃度は,0.418±0.039μg/m1と0.280±0.060μg/mlと高値を示し,本剤のStaphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidisに対するMIC80(0.1μg/ml,0.1μg/ml)1)から考えて,外眼部感染症に対する高い有用性を示唆している。
 臨床的には,S.aureus, S.epidermidisなどが検出された麦粒腫(5例),瞼板腺炎(10例),角膜炎(1例)の外眼部感染症計16例に本剤200mg/日,2回経口投与し著効5例,有効11例と全例有効以上であった。発現した副作用はいずれも軽度であり投与中止により速やかに消失した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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