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臨床報告
眼科領域におけるSparfloxacinの涙液移行と臨床的検討
著者: 河合佳江1 矢田浩二1 樋田哲夫1 藤原隆明1
所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1891 - P.1894
文献購入ページに移動本剤200mg単回投与時のヒト涙液中濃度のピーク値は0.623±0.027μg/mlに達し血清中濃度との間には正の相関を示し,移行比は約68.6%であった。投与後12時間と24時間でも涙液中濃度は,0.418±0.039μg/m1と0.280±0.060μg/mlと高値を示し,本剤のStaphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidisに対するMIC80(0.1μg/ml,0.1μg/ml)1)から考えて,外眼部感染症に対する高い有用性を示唆している。
臨床的には,S.aureus, S.epidermidisなどが検出された麦粒腫(5例),瞼板腺炎(10例),角膜炎(1例)の外眼部感染症計16例に本剤200mg/日,2回経口投与し著効5例,有効11例と全例有効以上であった。発現した副作用はいずれも軽度であり投与中止により速やかに消失した。
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