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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻13号

1991年12月発行

文献概要

臨床報告

サルコイドーシスと思われる眼底赤道部の散在性病巣

著者: 多田玲1 趙容子1 大路正人2 中川やよい2 藤井節子2 春田恭照2 湯浅武之助2

所属機関: 1市立池田病院眼科 2大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1913 - P.1916

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 眼底赤道部にみられる散在性の小さな網脈絡膜滲出斑を特徴とし,初老期以降の女性に好発する慢性ぶどう膜炎40例を検討した結果,本症がサルコイドーシスではないかと推定した。この慢性ぶどう膜炎の特徴は,1)初老期以降発症,2)ほとんどが女性で,両眼性,3)前眼部の炎症は少ない,4)網脈絡膜の小滲出斑が眼底赤道部を中心に散在性に分布し,網膜静脈炎も伴う,5)ステロイド治療に反応するが中止後容易に再燃する,6)血清ACE上昇,BHLなどは約1/3にみられたにすぎない,などであった。本症がサルコイドーシスであるならば,サルコイドーシスの中にはこのような特徴を有する1群の患者が存在すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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