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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻2号

1991年02月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病患者に併発する緑内障の臨床的研究—その2 白内障手術後の続発性緑内障の危険因子

著者: 加藤直子1 小紫裕介1 三浦昌生1 新城光宏1 中川成則1 岩城正佳1 近藤武久1

所属機関: 1神戸中央市民病院眼科

ページ範囲:P.141 - P.146

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 糖尿病患者の白内障術後合併症の続発性緑内障について検討した。単独白内障手術施行眼350眼(嚢内法171眼,嚢外法90眼,後房レンズ挿入89眼)を調査した。術後6か月以内に,血管新生緑内障22眼6.3%と非血管新生緑内障22眼6.3%が発生した。続発性緑内障の発生には,術後急激に生ずる糖尿病性網膜症の悪化が影響した。血糖コントロール不良の若年のインスリン依存型糖尿病患者で,術前に無治療の活動性網膜症を有する場合の白内障手術の際は注意を要する。糖尿病患者では,術前に網膜症を鎮静化し,手術は嚢外法を選択し,術後早期に眼底検査を行い,必要に応じて網膜症の治療を行うことが重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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