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臨床報告
文献概要
長期観察例を含めた脈絡膜骨腫5例6眼について蛍光眼底所見を中心に検討した。眼底所見にはさまざまな時期の病変が混在し,橙赤色部,黄白色部,綱膜脈絡膜萎縮部の3つに大別できた。蛍光眼底所見として,橙赤色部及び黄白色部ではwindow defectとそれに引き続くstainingが,網膜脈絡膜萎縮部では萎縮に一致する低蛍光が特徴であった。造影初期の脈絡膜相から出現する微細な過蛍光は,腫瘍の黄白色部に認められ,これはvascular tuftsの造影所見と考えられた。また,病変の近傍に検眼鏡上異常がみられなくとも微弱な過蛍光を示す部位があり,蛍光眼底造影によってのみ初期の病変が見出されることがあることも示唆された。長期観察例の所見より,各病変における蛍光眼底所見は,脈絡膜骨腫の予後についての判断の一助となると思われた。
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