文献詳細
臨床報告
文献概要
水溶性の0.1%ジクロフェナック点眼液の,眼内レンズ手術におけるフィブリン析出予防効果と副作用につき,油性の0.5%インドメタシン点眼液と比較検討した。白内障嚢外摘出術と後房レンズ挿入を行った239眼,超音波乳化吸引術と後房レンズ挿入を行った25眼を対象に,ジクロフェナック群208眼,インドメタシン群46眼,点眼(−)群10眼に分け,点眼は術前2回,術後3回/日×4〜7日とし,ステロイドおよび抗生剤点眼液等を併用した。フィブリン析出は,点眼(−)群で20%,ジクロフェナック群5%,インドメタシン群4%と点眼群で明らかに少なかったが,角膜上皮障害は,点眼(−)群では0%であったが,極軽度のものも含めると,ジクロフェナック群で12%,インドメタシン群では24%に見られた。ジクロフェナック群での上皮障害は,術前内皮細胞密度の減少と優位な相関を認めた。
掲載誌情報