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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻3号

1991年03月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京 学会原著

難治性周辺部角膜潰瘍に対するプロテアーゼインヒビターOvomacroglobulinの点眼治療効果

著者: 鎌田龍二12 宮川真一23 前田浩3 岡村良一2

所属機関: 1山鹿市立病院眼科 2熊本大学眼科学教室 3熊本大学微生物学教室

ページ範囲:P.233 - P.237

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 プロテアーゼ抑制剤であるニワトリ卵白ovomacroglobulinは,血漿α2 macroglobulinと相同タンパク質で,プロテアーゼに対して幅広い抑制効果を有している。この1%および0.1%溶液の点眼で難治性の周辺部角膜潰瘍の5症例を,単独1日6回点眼または1%アトロピン点眼との併用で治療した。症例は慢性関節リウマチに合併する周辺部角膜潰瘍2例,蚕食性角膜潰瘍1例,カタル性角膜潰瘍2例である。いずれも点眼後7日以内に潰瘍は消失し,残存する炎症は,低濃度のステロイドホルモンおよび非ステロイド性消炎薬の点眼のみで完治した。潰瘍の再発が1例にあった。潰瘍の修復に先行して自覚症状の改善傾向が認められた。副作用はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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