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特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京 学会原著
続発性黄斑剥離の視力
著者: 大谷倫裕1 高橋京一1 坂本道子1 古沢信彦1 田中隆行1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科
ページ範囲:P.259 - P.263
文献購入ページに移動その結果,急性期では,網膜剥離の大きさは視力に関係しなかった。網膜剥離の原因による差が大きく,平均視力は,中心性漿液性網脈絡膜症0.6±0.27,脈絡膜血管腫0.5±0.14,原田病0.4±0.41,胞状網膜剥離0.1±0.53であった。寛解期の平均視力は中心性漿液性網脈絡膜症1.0±0.20,原田病1.0±0.17,脈絡膜血管腫0.9±0.09,胞状網膜剥離0.5±0.56であり,胞状網膜剥離の視力が他の3疾患に比べて有意に不良であった。胞状網膜剥離では網膜剥離の消退後に螢光漏出部から下方に向かう網膜色素上皮の変性を伴いやすく,13眼中8眼にみられた。
黄斑剥離で視力を規定する要素は単一ではないが,その中でも網膜下液の性質が視力に大きく関係していると結論される。
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