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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻3号

1991年03月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京 学会原著

続発性黄斑剥離の視力

著者: 大谷倫裕1 高橋京一1 坂本道子1 古沢信彦1 田中隆行1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科

ページ範囲:P.259 - P.263

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 過去10年間の非裂孔原性網膜剥離のうち中心性漿液性網脈絡膜症48眼,原田病52眼,脈絡膜血管腫6眼,胞状網膜剥離13眼について,その急性期と寛解期の視力に関係する要素について調べた。視力は矯正視力を用い,対数換算の上平均視力を算出し,有意差検定にはt検定を行った。
 その結果,急性期では,網膜剥離の大きさは視力に関係しなかった。網膜剥離の原因による差が大きく,平均視力は,中心性漿液性網脈絡膜症0.6±0.27,脈絡膜血管腫0.5±0.14,原田病0.4±0.41,胞状網膜剥離0.1±0.53であった。寛解期の平均視力は中心性漿液性網脈絡膜症1.0±0.20,原田病1.0±0.17,脈絡膜血管腫0.9±0.09,胞状網膜剥離0.5±0.56であり,胞状網膜剥離の視力が他の3疾患に比べて有意に不良であった。胞状網膜剥離では網膜剥離の消退後に螢光漏出部から下方に向かう網膜色素上皮の変性を伴いやすく,13眼中8眼にみられた。
 黄斑剥離で視力を規定する要素は単一ではないが,その中でも網膜下液の性質が視力に大きく関係していると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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