臨床眼科45巻3号

1991年03月発行

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集（1）1990年9月　東京

学会原著

原発性定型網膜色素変性症の予後に関する検討—14施設調査

著者： 早川むつ子¹ 藤木慶子¹ 金井淳¹ 松村美代² 小泉閑² 玉井信³ 塩野貴³ 所敬⁴ 赤沢嘉彦⁴ 久保田伸枝⁵ 河野真一郎⁵ 松井瑞夫⁶ 湯沢美都子⁶ 小口芳久⁷ 明尾潔⁷ 安達恵美子⁸ 武田憲夫⁸ 三宅養三⁹ 矢ヶ崎克哉⁹ 若林謙二¹⁰ 石坂伸人¹⁰ 本田孔士¹¹ 坂上欧¹¹ 宇山昌延¹² 岸本伸子¹² 石橋達朗¹³ 本多貴一¹³ 大庭紀雄¹⁴

所属機関： ¹順天堂大学眼科 ²県立尼崎病院眼科 ³東北大学 ⁴東京医科歯科大学 ⁵帝京大学 ⁶日本大学 ⁷慶応大学 ⁸千葉大学 ⁹名古屋大学 ¹⁰金沢大学 ¹¹京都大学 ¹²関西医科大学 ¹³九州大学 ¹⁴鹿児島大学

ページ範囲：P.271 - P.275

文献概要

　1989年の2か月間に14施設を受診した定型網膜色素変性症253例，男性：女性＝122：131，平均年齢48歳，平均自覚症状発現年齢28歳を対象に，視力予後について分析した。視力と年齢，経過年数との間に有意な相関関係が認められた。視力0.1以下の眼の頻度は，年齢を20歳区切りにすると，若い年齢群から4，23，38，40％の頻度であり，経過年数を20年区切りにすると，25，44，47，67％であった。10°以下の高度視野障害眼の頻度は，40歳以上及び経過年数20年以上で，視力0.1以下の眼の頻度を上まわっていた。遺伝形式別では，優性が孤発や劣性より障害が軽い傾向が認められた。