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特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京 学会原著
網膜細動脈瘤の破綻後の転帰
著者: 横井則彦1 森野潤子1 保田桂子1 赤木好男1 山本敏雄2
所属機関: 1京都府立医科大学眼科 2山本眼科
ページ範囲:P.277 - P.281
文献購入ページに移動このstageⅢ以降の2眼をさらに経過観察すると,検眼鏡では明瞭な動脈瘤全体が,螢光眼底造影では,螢光所見を欠く領域として認められるようになった(stageⅣ)。この所見は,螢光色素が動脈瘤に流入せず,しかも動脈瘤そのものが脈絡膜背景螢光をブロックすること,すなわち,動脈瘤内全体を占拠した血栓が内皮化され,最終的に完全な線維組織に置き変えられたために生じた所見と考えられた。網膜細動脈瘤の螢光眼底造影像の推移は動脈瘤内部の血栓の器質化の進行を反映したものであると考えた。
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