文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
4例4眼の増殖性硝子体網膜症について,硝子体手術後に20Gyの放射線治療を行った。術直後に,角膜上皮欠損の遷延化と,やや強い前房内フィブリン反応が2眼に認められたが,10日から2週間で消退した。平均6か月間の経過観察中に放射線照射によると考えられる合併症はなかった。4眼中2眼で,網膜が復位し,最終視力は良好であった。術中に網膜の部分復位しか得られなかった2眼は,術後も網膜は部分復位の状態であり,有用な視力は得られなかった。放射線療法は,増殖性硝子体網膜症の発症,進展を抑制する補助療法として使用できる可能性があると評価された。
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